Agri


 古来、中国では菊は不老長寿の妙薬として珍重されていました。陰暦9月9日の重陽(ちょうよう)の節句は別名「菊の節句」と呼ばれていて、菊の花を浮かべた酒を酌み交わし、長寿を祝ったと伝えられています。栽培菊は、奈良時代に中国から薬用として渡来し、平安時代に貴族によって観賞の対象になりました。物語や詩歌に菊が登場するのはこの頃からです。その後町人の間にも菊作りが広まり、寛永時代にいまの品評会である「菊合わせ」が行われていたことが文献に載っています。

 菊は桜同様、古くから日本人に愛され、日本を代表する花のひとつです。現在栽培されている花の中でたいへん歴史が長く、その間用途に合わせて多くが品種改良されています。切花全体の3分の1は菊類で占められ、その中で作付面積が多いのが輪菊です。
 自然開花は5月〜11月までで、長年かけて品種改良され、比較的育てやすく、庭先で簡単に楽しむことができます。花色は大きく分けて黄・白・赤系の3色。用途はお正月、お盆、お彼岸の物日に集中して使用されます。
 また、輪菊だけでなく小菊・スプレーマムと合わせて使用され、カジュアルフラワーとして家庭での需要が伸びています。
 生け花の稽古や和風料亭で生けられたり、家庭では来客時の温かいもてなしとして床の間に飾られたりと日本を感じさせる趣きのある代表的な花、それが輪菊です。

 輪菊栽培の歴史は古く、昭和23年豊川市で露地菊栽培が始まり、昭和27年には木骨ビニールハウスで電照菊栽培が試みられました。その後夏菊の導入により周年生産化が進み、昭和40年代後半になり栽培面積は急速に拡大しました。
 全国で生産される輪菊は白色をメインに栽培されていますが、ひまわり管内においては、黄色を中心に栽培しています。年間販売数量の60%以上を黄色で占め、全国でも有数の黄色の産地です。
 JAひまわりの菊部会がブランドとしてハウス栽培しているのは、次の品種です。秋菊としては、黄色の「精興の秋」、「山陽黄金」、白色の「神馬」、赤色の「花秀芳」、「美吉野」などを主に栽培し8月を除き周年で出荷されます。夏秋菊では、黄色の「スーパーイエロー」、白色の「岩の白扇」などを主に栽培し、5月から9月にかけて出荷されます。
■生産農家95名、栽培面積は延べ33ha、年間販売数量は8万ケース、
 年間販売金額7億円。




へもどる